フィデル・カストロ
2008年06月22日
フィデル・カストロ
この前はゲバラのことを書いたので、今回はフィデル・カストロのこと。
先日あるイベントで映画 『コマンダンテ』を見ました。
公開された時から見たいと思っていた映画です。
オリバー・ストーン監督と
キューバの最高指導者(当時)フィデル・カストロとの
インタビューをおさめたドキュメンタリー映画。
2003年のアメリカ・スペイン合作。
「コマンダンテ」とは、
スペイン語で「司令官」「指揮官」等の意味です。
いつでも撮影をやめることが出来るならという条件つきで
カストロはこのインタビューに同意したそうですが、
延べ30時間以上にわたるインタビューの間
一度もカメラを止めることはなく、一切の削除も求めなかったそうです。
インタビューは、
時には執務室で、時には市民も食事を楽しんでいるレストランで、
また、移動中の路上で、車の中で、医学校でと、
自然体のカストロの素顔が見られるとともに、
市民のカストロに対する思いも、画面を通して自然に伝わってきます。
ちなみに、キューバの医学校では、
南米各国など多くの他国の若者を受け入れており、
本国では貧しいマイノリティである米国の学生も
年間数百人という単位で受け入れて育成しています。
彼らは、卒業後は故郷の貧しい地域の医療に貢献するそうです。
外国人も含め学費は無料で、すべてキューバ政府が負担しています。
この医学校の撮影中も、カストロを慕って多くの学生たちが群がってきます。
その中にはアメリカから学びにきている学生もたくさんいます。
母国から見捨てられている同じアメリカ人である若者たちが
「敵国」キューバに支援されて医師になる勉強をしている。
そして、卒業後は本国アメリカに帰り、貧しい出身地域の医療を担う。
ストーン監督は、そんな現実を目の当たりにして
それをどういう思いで受け止めたのでしょうか。
監督のカストロに対する態度がその後なんとなく変わったように感じました。
特にキューバやカストロの情報に関しては
アメリカでは相当歪められたメディアコントロールがおこなわれているらしく、
社会派監督とはいっても、アメリカ人であるストーン監督にとって
その呪縛から自由になるのは難しいことなのだろうと思いました。
3日間にわたるインタビューの中では、
ストーン監督の礼節を欠いたような言動が気になる部分もありましたが、
一行を自ら空港まで送るカストロとスタッフとの別れの場面では、
最初の頃とはまったく違う空気がその場を包んでいます。
この作品は、アメリカでは上映禁止だそうです。
政府にとって「不快」であり「批判的」であるという理由で。
カストロのこの映画から受けた印象は、
とにかく自然体の人、非常に正義感が強い博愛主義者、
思慮深く、言葉をとても大切にし、丁寧に話をする人。
本当に国民のことを考える高い倫理感を持ったリーダーであれば
「独裁者」であることで、かえって国民の生活が安定的に守られる、
そういうこともあるのかもしれません。
はっきりとしたビジョンさえ持てば、
どんな困難があろうと、あとはその理念を実現するために邁進するだけ
そういうことなのでしょうね。
このインタビューが行われたのは2002年。
カストロは、今年2月に国家評議会議長と軍総司令官を引退しています。
最後に、
インタビューの中でも印象に残ったものをちょっとだけ。
「教育とは?」
「我々は全ての人々の潜在能力を引き出す手助けをしたい。
教育の分野でも健康の分野でも。(教育は)価値観の育成だ。」
先日あるイベントで映画 『コマンダンテ』を見ました。
公開された時から見たいと思っていた映画です。
オリバー・ストーン監督と
キューバの最高指導者(当時)フィデル・カストロとの
インタビューをおさめたドキュメンタリー映画。
2003年のアメリカ・スペイン合作。
「コマンダンテ」とは、
スペイン語で「司令官」「指揮官」等の意味です。
いつでも撮影をやめることが出来るならという条件つきで
カストロはこのインタビューに同意したそうですが、
延べ30時間以上にわたるインタビューの間
一度もカメラを止めることはなく、一切の削除も求めなかったそうです。
インタビューは、
時には執務室で、時には市民も食事を楽しんでいるレストランで、
また、移動中の路上で、車の中で、医学校でと、
自然体のカストロの素顔が見られるとともに、
市民のカストロに対する思いも、画面を通して自然に伝わってきます。
ちなみに、キューバの医学校では、
南米各国など多くの他国の若者を受け入れており、
本国では貧しいマイノリティである米国の学生も
年間数百人という単位で受け入れて育成しています。
彼らは、卒業後は故郷の貧しい地域の医療に貢献するそうです。
外国人も含め学費は無料で、すべてキューバ政府が負担しています。
この医学校の撮影中も、カストロを慕って多くの学生たちが群がってきます。
その中にはアメリカから学びにきている学生もたくさんいます。
母国から見捨てられている同じアメリカ人である若者たちが
「敵国」キューバに支援されて医師になる勉強をしている。
そして、卒業後は本国アメリカに帰り、貧しい出身地域の医療を担う。
ストーン監督は、そんな現実を目の当たりにして
それをどういう思いで受け止めたのでしょうか。
監督のカストロに対する態度がその後なんとなく変わったように感じました。
特にキューバやカストロの情報に関しては
アメリカでは相当歪められたメディアコントロールがおこなわれているらしく、
社会派監督とはいっても、アメリカ人であるストーン監督にとって
その呪縛から自由になるのは難しいことなのだろうと思いました。
3日間にわたるインタビューの中では、
ストーン監督の礼節を欠いたような言動が気になる部分もありましたが、
一行を自ら空港まで送るカストロとスタッフとの別れの場面では、
最初の頃とはまったく違う空気がその場を包んでいます。
この作品は、アメリカでは上映禁止だそうです。
政府にとって「不快」であり「批判的」であるという理由で。
カストロのこの映画から受けた印象は、
とにかく自然体の人、非常に正義感が強い博愛主義者、
思慮深く、言葉をとても大切にし、丁寧に話をする人。
本当に国民のことを考える高い倫理感を持ったリーダーであれば
「独裁者」であることで、かえって国民の生活が安定的に守られる、
そういうこともあるのかもしれません。
はっきりとしたビジョンさえ持てば、
どんな困難があろうと、あとはその理念を実現するために邁進するだけ
そういうことなのでしょうね。
このインタビューが行われたのは2002年。
カストロは、今年2月に国家評議会議長と軍総司令官を引退しています。
最後に、
インタビューの中でも印象に残ったものをちょっとだけ。
「教育とは?」
「我々は全ての人々の潜在能力を引き出す手助けをしたい。
教育の分野でも健康の分野でも。(教育は)価値観の育成だ。」
soranimukatte_23 at 15:23|Permalink│