ベーシックインカム

2011年07月24日

復興予算を個人給付に

下の文章は、ベーシックインカム・実現を探る会の
「BIメールニュースNo.108  2011.7.24発行 」からの転載です。

【1】BIニュース
『週刊新潮』で復興予算を個人給付に回す提言が掲載されました
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『週刊新潮』('11.7.28)で原田泰氏は、復興予算を「東日本大震災復興構想会議」
が提言するような巨額なものにつぎ込むのであれば、個人給付に回すべきだと提言
しました。

復興予算「20兆円」で東北がゴーストタウンになる
http://www.shinchosha.co.jp/magazines/images/10/poster_l/20110721.jpg

原田泰氏は、昨年『中央公論』で所得税と特別会計を財源としたベーシックインカ
ムの財源論を展開して話題になりましたが、いかにも原田氏らしい提言が掲載され
ていますので、ぜひご覧下さい。


「ベーシックインカムが貧困を解消する ─ 生活保護よりすべての人に基礎給付を」
原田泰(はらだゆたか)/中央公論2010年6月号の書評
http://bijp.net/review/article/192

ベーシックインカム・実現を探る会
http://bijp.net/

*******

以前からベーシックインカムを提唱している
新党日本の田中康夫さんの提言↓

田中新党日本代表 ベーシックインカムを提案(財経新聞 5/2)
http://www.zaikei.co.jp/article/20110502/71674.html
復興のための田中康夫ビジョン(新党日本)
http://www.nippon-dream.com/?page_id=3551

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2011年07月04日

「ゲッツ・W・ヴェルナー氏からの院内集会へのメッセージ」

下の文章は、ベーシックインカム・実現を探る会の
「BIメールニュースNo.105  2011.7.4発行」からの転載です。

6月15日、震災復興基礎所得保障と生活再建のための現物支給を政府に要求する院
内集会の第二回を盛会に開催させていただきましたが、その時、日本でもBIの提唱
者として広く知られるゲッツ・W・ヴェルナー氏からメッセージを寄せてもらって
いました。

その時の日本語訳をこちらでもご紹介します。


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ゲッツ・W・ヴェルナー氏からの院内集会へのメッセージ
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日本でベーシック・インカムの実現を目指すみなさま!

 すでに40年前にマーシャル・マクルーハンが地球上の社会的・経済的な状況を
指して命名したグローバル・ヴィレッジ、つまり地球村では、それぞれの国の立脚
点は異なっているとしても、社会的な挑戦と課題提起は類似しています。

 あらゆる共同体が提示する課題は、私たちはどのような社会に暮らしたいのかと
いうことです。この問いかけに対する回答を吟味した結果明らかになるのは、可能
な限り多くの市民に国民経済の成果の分け前に与ることを承認し、それによって社
会生活への関与を可能にすることに成功した社会は高い繁栄を経験していることで
す。

 豊かな国々すべてに共通していること、それは私たちが事実上の他給自足社会に
生活していることです。つまり、私たちは他者のために働き、かつ他者の成果に依
存しているという事実があり、その結果として私たちの生活が成り立っていること
です。この現実に目を向けるならば、一個人が自分の家族や仲間のために、あるい
は顧客のために活動できるようになるためには、まず一個人の基本的欲求が保障さ
れなければなりません。

 基本所得、つまりベーシック・インカムは、各人が自身の能力と技能を共同体の
福祉のために発揮することを可能にします。多くの人びとが地震と津波に襲われた
日本では、ベーシック・インカムによって人びとは困難な状況を克服できるという
気持ちを持つことができます。克服可能性──それは、社会学者アーロン・アント
ノフスキーが確認したところによれば、人間が健康でいられる、もしくは速やかに
健康になるために必要な本質的な構成要素なのです。

 私は、次のように言える時期が到来していると確信しております。すなわち、ベ
ーシック・インカムは未来志向の共同体にとって有効かつ必要不可欠であるという
ことです。

 日本の市民のためのベーシック・インカム実現を目指すみなさまの活動を私は高
く評価するとともに、みなさまの活動が実を結ぶことを心から祈念いたします。み
なさまが災害後のこの時期を捉えて、内的確信と断固たる態度をもって適切な機会
を利用することによって、日本の市民のあいだにベーシック・インカム理念に対す
る共感と感激の念が呼び起こされんことを願っております。 

心からの挨拶を送ります。 

ゲッツ・W・ヴェルナー


▼参考リンク
ヴェルナー氏は、下記の2冊のベーシックインカムに関する書籍で、日本でも知ら
れていますが、2冊とも渡辺一男氏によって翻訳されています。
そして、今回のメッセージは、渡辺一男氏に翻訳していただきました。改めて、ご
尽力深謝いたします。

『ベーシック・インカム──基本所得のある社会へ』
http://www.gendaishokan.co.jp/goods/ISBN978-4-7684-6963-7.htm

『すべての人にベーシック・インカムを──基本的人権としての所得保障について』
http://www.gendaishokan.co.jp/goods/ISBN978-4-7684-6997-2.htm


ベーシックインカム・実現を探る会
http://bijp.net/

soranimukatte_23 at 22:29|Permalink

2011年05月22日

南アフリカからのメッセージ(ベーシックインカム)

下の文章は、ベーシックインカム・実現を探る会の
「BIメールニュースNo.099  2011.5.21発行 」からの転載です。

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【1】2011年4月27日院内集会への南アフリカからのメッセージ
経済政策研究所と南アフリカ教会協議会からのメッセージ:抄訳
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経済政策研究所(Economic Policy Research Institute: EPRI)
【団体HP:http://www.epri.org.za/

「震災の影響を受けた市民に対する、地域限定のベーシックインカムは、被災者が
早急に生活を再建し、震災の長期的・短期的影響に適応する能力を高めるために、
国家が実施できる強力な政策ツールとなるでしょう。私たちは、日本政府によるそ
の早急な実施を求めます。アジアにはすでに、日本政府が参照することができるよ
うな、緊急時の現金移転の成功例や研究が多くあります。

ベーシックインカムは、緊急援助として国家が被災者に月々支払う給付金の形をと
ることが考えられます。これは被災地域の経済の再建に役立つだけではなく、人々
が人道にかなう、尊厳あるやりかたで当面のニーズを満たすことにも役立ちます。」


南アフリカ教会協議会(South African Council of Churches: SACC)
【団体HP:http://www.sacc.org.za/

「多くの貧しく、周辺化された人々を代表する組織として、私たちは、苦しんでい
る日本のあなたがたと、哀れみ、同情、人類愛──アフリカで『ウブントゥ』と呼
んでいるもの──の精神によって結ばれています。人類愛により私たちは一つであ
り、あなたがたの痛みと苦しみは、私たちの痛みと苦しみです。あなたがたの喪失
は私たちの喪失であり、あなたがたの回復、再建、癒しは、私たちの回復、癒しと
結びついているのです。…
 天災と人災から日本が回復するための希望となるように、[南アフリカで基礎所
得手当導入が検討され、18歳までの児童手当が実現したという]アパルトヘイトの
遺産からの私たちの部分的回復のストーリーをお伝えします。…
経済変革などのための新しい方法を夢見る勇気は、過去の闇の力を打ち破ることな
ど不可能にも思える深い絶望と落胆のなかを生きていくうえで、中心的な支えとな
るものです。絶望と落胆のさなかで、根強く残る貧困と不平等をうち負かすために、
すべての人々が所得を手にすることを夢見たことが、基礎所得手当のアイデアを生
みました。この夢は、南アフリカの変革と癒しのための希望であり続けています。

…あなたがたの闘争と成功は、災害に襲われた日本で生活を再建しようとしている
多くの人々のためだけではありません。人々のニーズを最優先にし、自らの過ちに
よらず傷ついた人々への思いやりを示すような経済秩序の種をまく、希望のメッセ
ージとなるでしょう。」


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【2】2011年4月27日院内集会への南アフリカからのメッセージ
教授・博士たちからのメッセージ:抄訳
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ジェレミー・シーキングス教授(ケープタウン大学/イェール大学)
Prof. Jeremy Seekings, University of Cape Town and Yale University
「日本の再建過程において、より長期的には、運・不運にかかわらず、貧者も富者
も等しく、所得保障を推進するような政策改革を検討すべきです。…基礎所得保障
は、すべての人々に最低限の生活保障を行うという直接的な意義だけではなく、象
徴的に、社会の価値の象徴としても重要です。」

ジョン・アコパリ博士(ケープタウン大学)
Dr. John Akokpari, University of Cape Town
「被災者が最低限許容可能な生活水準を維持することが出来るよう、失業したり生
計手段を失った人々に基礎所得を保障すること、また、避難を余儀なくされている
個人と家族に医療と住宅を提供することを日本政府に求めます。また、震災により
孤児となった子どもたちへの政府の支援を求めます。同様に、この未曾有の苦境に
おかれることになった、身体障害者、シングルペアレント、マイノリティ、移民に
対する早急な配慮を求めます。」

スカーレット・コーネリッセン教授(ステレンボシュ大学)
Prof. Scarlett Cornelissen, University of Stellenbosch
「[所得保障やその他の支援は]日本の長年の進歩と発展を特徴づけてきた社会正
義の原則を維持しながら、日本政府の再建努力が達成されるための一つの方策とな
るでしょう。」

フセイン・ソロモン教授(フリーステイト大学)
Prof. Hussein Solomon, University of Free State
「残念なことに、この悲劇を生き延びた人々は、日本国家の遅々とした対応のため
に、今一度苦しむ結果となっています。世界第3位の経済大国であることを考えれ
ば、茶番とさえ言えるでしょう。生き延びた人々、被災者に対して、医療、社会サ
ービス、基礎所得保障を早急に提供することが真に必要とされています。」

ベーシックインカム・実現を探る会
http://bijp.net/
http://twitter.com/bi_jp

震災復興基礎所得保障と生活再建のための現物支給を政府に要求する院内集会・資料①
http://bijp.net/newsinfo/article/253
経済学者・岩田規久男さんの増税なき復興財源は注目!
http://bijp.net/newsinfo/article/255


soranimukatte_23 at 00:15|Permalink

2011年05月14日

「2011年4月27日院内集会へのメッセージ」

下の文章は、ベーシックインカム・実現を探る会の
「BIメールニュースNo.098  2011.5.14発行 」からの転載です。

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【1】2011年4月27日院内集会へのメッセージ
イギリス、セルマ・ジェームスとマイケル・カルマノヴィッツからのメッセージ
───────────────────────────────────

「震災復興基礎所得保障と生活再建のための現物支給を政府に要求する院内集会」
に私たちの心からの挨拶を贈ります。世界中の人々と同様に、3月11日の震災、
それに続いた津波、さらに放射能漏えいが続いていることに、私たちも衝撃を受
け、恐怖を感じ、日本の人びとの安全を心配しています。

私たちは、日本政府に対するあなたがたの要求、すなわち、以下の支援の早急な提
供を、完全に支持します。

(1) 被災者への無条件・個人単位による基礎所得保障
(2) 適切な医療と住宅の支給
(3) 親を亡った子どもたち、子ども・若者、高齢者、障害者、ひとり親、性的少数
派、在日外国人、さらに原発で働く労働者への完全な補償、仕事を失った人たちへ
の適切な支援


セルマ・ジェームス  グローバルな女性のストライキ
マイケル・カルマノヴィッツ  給料日の男たちのネットワーク

・・・
セルマ・ジェームズは、マリアローザ・ダラ・コスタらと共に1970年代に「家事労
働に賃金を」運動に関わり、とくに英語圏にこの運動を広めることに貢献した人物。
現在も、グローバルな女性のストライキ等で精力的に活動している。

The Power of Women and the Subversion of the Community (1972)
Mariarosa Dalla Costa & Selma James
http://reocities.com/cordobakaf/subv.pdf

───────────────────────────────────
【2】ベーシックインカム地球ネットワーク(BIEN)からの連帯メッセージ(全訳)
───────────────────────────────────

 私たちは、あなた方と声をあわせ、2011年3月11日の大震災によって被災した日
本の人々に対する基礎所得保障を求める連帯のメッセージを送ります。

 日本の人々は、先月以来、大地震と、その結果として生じた津波・原発事故によ
って、大変な苦しみを受けています。被災した人々は、生活を立て直し、大きな不
確実性に対処しようとするなかで、希望と尊厳を失いかけています。

 震災の影響を受けたすべての人々への基礎所得保障は、国家が基本的人権、また
ベーシック・ニーズに対して、効果的、効率的、早急に対応するための最良の方策
の一つとなるでしょう。それは、日本のすべての人々への基礎所得保障を導入する
ための、最初の、そして公正なステップとなるでしょう。

 壊滅的な影響を受けた経済に、このようにして現金を注入することは、より早い
回復を可能とし、日本の人々の手に尊厳と希望を取り戻すことになるでしょう。食
糧その他の配給の長い列に並ぶ必要はありません。基礎所得保障があれば、人々は、
地域の、また私的・個人的なニーズのうち何をどう優先するかを、それが医療への
アクセスであれ、適切な住宅であれ、生計の立て直しであれ、自分で決めることが
できます。さらに、基礎所得保障は、地域経済が必要とする資金の多くを提供し、
地域経済を活性化させます。基礎所得保障は、震災の影響を受けた人々のベーシッ
ク・ニーズを満たすための開発的アプローチを提供します。基礎所得保障は、日本
を、これまで容易に思い描けなかった、新たな、高成長の道筋に載せる可能性を秘
めています。今こそ、基礎所得保障という形で、すべての人々に平等な機会を提供
することで、革新と再生を図るべきときです。

 私たちは、あなた方の努力が実ることを祈っています。また、今後の運動を引き
続き支援します。

2011年4月21日
ベーシックインカム地球ネットワーク執行委員会委員一同
http://www.basicincome.org/bien/


ベーシックインカム・実現を探る会
http://bijp.net/

soranimukatte_23 at 18:38|Permalink

2011年05月07日

「福島に暮らし思うこと」

下の文章は、ベーシックインカム・実現を探る会の
「BIメールニュースNo.097  2011.5.7発行 」からの転載です。

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【2】院内集会で読み上げられたメッセージ2
福島に暮らし思うこと パナソニック電工裁判元原告 佐藤 昌子
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 2009年12月、パナソニック派遣切り裁判で勝訴和解。正社員として職場復
帰した佐藤昌子さんは、震災後に引き取ったご家族の介護をしながら、郡山市で労
働相談もされています。そのご多忙な時間を割いて、メッセージを寄せてください
ました。(白崎朝子)



今、福島では、テレビやラジオから日に何度も流れる曲があります。

I love you ふくしま
I need you ふくしま
明日からすべてが始まる
明日から新しい日々だよ・・・・・

 この曲を聴くと涙が溢れてきます。今ほど、福島を好きだと思ったことはありま
せん。

 今、桜が満開です。いつもの風景と何ら変わらないことによけい悲しくなります。
福島県は、放射能と余震に怯え、産業も雇用も悪化し、いわれの無い風評被害で苦
しんでいます。復興のめども立っていません。励ましをありがたいと思う一方で、
いやでも『棄民』であることを意識させられ、強い憤りも感じています。

 私の住む郡山市は、第一原発から60キロ離れていますが、今でも放射能レベル
は2マイクロシーベルトに近い数値で、何時起きるかも知れない爆発の不安も重な
り、緊張の日々を送っています。避難することは失業を意味し、高齢者を抱えての
避難などなおさら考えられません。一日も早く放射能が収まり、復興が始まること
を願うばかりです。 

 夫は第2原発のある双葉郡楢葉町の出身で、第一原発からは10キロ、第2原発
からは4キロの場所に自宅があります。親戚や知人は退避を余儀なくされ全国に散
らばりました。

 東京には、高齢の親と共に2組の親族が避難しましたが、介護をしながら、住ま
いと仕事を探しています。

 我が家にも震災翌日から、母と、同居していたパーキンソン病の叔母が避難して
きました。母は、1月に脳出血を起こし、2月には父が他界し、今回の地震と不幸
が続いて、認知症が進行し、再認定を希望していますが、1ヶ月経ってもまだ調査
は入っていません。包括支援センターの職員の話では、どこの施設も定員オーバー
だそうです。

 震災まで元気でいた87歳の叔父は、避難先の体育館で風邪をこじらせ肺炎で亡
くなりました。グループホームごと郡山市に避難して来た97歳の叔母は、容態が
悪化し入院しましたが、退院後に入所するための施設がみつかりません。今の状況
で被災地の当事者が、自らの力だけで病院や施設を探すことはとても困難です。命
を落とす前に、広域で支援の手が差し伸べられることを切に望みます。

 私自身、母の介護が始まり生活が一変しました。社会活動にも制約を受け、介護
サービスが受けられなければ仕事も続けられなくなります。

 労組には、震災による解雇の相談が頻繁に入り、福祉や社会保障の切り捨ても危
惧されています。マイナスからの復興を果たすためには、労働の担い手が安心して
働くことの出来る労働環境と、雇用の安定は不可欠であり、人々が生き延びるため
の社会保障と、介護施設や保育所の増設は、そのための最低条件だと捉えています。
被災地においては、このことなしに、雇用の創出などありえません。

 今、私たちに求められることは、臆することなく、新しい価値観で復興へのビジ
ョンを描き、政府に突きつけることだと思います。

 私たち自身が信念を持ち、行動し続けることが、共に生きるための『新しい日々』
の一歩だと信じています。

ベーシックインカム・実現を探る会
http://bijp.net/

soranimukatte_23 at 13:55|Permalink

2011年05月01日

被災者の自立にベーシックインカムを!

下の動画は、
田中康夫衆議院議員(新党日本代表)の
4月29日の衆議院予算委員会での質疑。

被災者が自立するためにも
10万円/1人のベーシックインカムをと
提案しています。






soranimukatte_23 at 14:21|Permalink

ベーシックインカム「院内集会の動画」

下の文章は、ベーシックインカム・実現を探る会の
「BIメールニュースNo.096  2011.4.30発行」からの転載です。

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【2】院内集会の動画
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4月27日(水)「震災復興基礎所得保障と生活再建のための現物支給を政府に要求す
る院内集会」を実施しました。

追って、当日の資料や詳しい報告など行いますが、まずは当日の様子を撮影した動
画をご紹介いたします。

No.1 発言者
・田中康夫氏(衆議院議員・新党日本代表)
・佐々木淑子氏(福島県・郡山市被災者、ケアマネジャー・看護師・
認知症グループホーム建設中に被災)
・岸本聡氏(全建総連・釧路建設ユニオン書記長)
・山森亮氏(同志社大学教員)
http://ustre.am/:Y1Aq

No.2 発言者
・山森亮氏(同志社大学教員)
・福島瑞穂氏(参議院議員・社民党党首)
・白崎一裕氏(反貧困ネットワーク栃木・共同代表・栃木県北被災者)
・岸本聡氏…全建総連・釧路建設ユニオン特別決議の読み上げ
・佐藤昌子氏からのメッセージ代読
・鎌仲ひとみ氏からのメッセージ代読
・イギリスからのメッセージ代読
http://ustre.am/:Y1HF

No.3
・アフリカからのメッセージ代読
・ベーシックインカム地球ネットワーク(BIEN)からのメッセージ代読
・佐々木淑子氏による佐藤昌子氏のメッセージ補足
・岸本聡氏による発言の補足
・震災復興基礎所得保障と生活再建のための現物支給を政府に要求する要望
・震災復興基礎所得保障等を政府に要求する声明
http://ustre.am/:Y1TK


ベーシックインカム・実現を探る会
http://bijp.net/

soranimukatte_23 at 14:07|Permalink

2011年04月25日

"関曠野氏の論考の紹介「計算不可能な原発事故のリスク」"

下の文章は、ベーシックインカム・実現を探る会の
「BIメールニュースNo.094  2011.4.23発行」からの転載です。

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【2】BIニュース 
関曠野氏の論考の紹介「計算不可能な原発事故のリスク」
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関曠野氏が図書新聞で論考「計算不可能な原発事故のリスク」を発表しました。原
発事故をめぐる状況を分析することで、1970年代のイリッチなどが主流を占め
た反原発の運動の中で経済理論が欠けていたことから、ベーシックインカムによっ
て生産と消費をマクロで均衡させる社会信用論が必要であることを述べています。

そして、本誌でも紹介した現在全国知事会が国債日銀引受を提言したことを評価し、
東北の被災者にベーシックインカムを支給することの必然性を述べ、そこから旧態
依然とした企業中心の文化をも破壊しうる可能性もあるのではないかと考えていま
す。

そして、礼節と気位を失わなかった東北の被災者と、オタオタするばかりの東京の
原子力エリートとのコントラストから、さらに展望を広げ、エリート主導で体制や
文化、技術を導入する時代は、今回の震災で終わったという診断を下しています。


図書新聞サイトにおける記事(会員は全文読めます)
計算不可能な原発事故のリスク
──原発はテクノロジーの名に値しない極端なアクロバットだ
http://toshoshimbun.jp/books_newspaper/week_description.php?shinbunno=3011&syosekino=3680

脱原発と、それを支えるためのベーシックインカムとの関係を明確に説明してくれ
た記事です。そして、これから我が国がどうあるべきなのかについてまで、明確な
展望を示してくれています。

ベーシックインカム・実現を探る会
http://bijp.net/

soranimukatte_23 at 10:42|Permalink

2011年04月16日

「被災者、そしてすべての人々へ希望のベーシック・インカムを!!」

下の文章は、ベーシックインカム・実現を探る会の
「BIメールニュースNo.094  2011.4.16発行」からの転載です。

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【1】震災復興基礎所得保障等を政府に要求する声明
〜被災者、そしてすべての人々へ希望のベーシック・インカムを!!〜
           ベーシックインカム・実現を探る会 代表 白崎一裕
───────────────────────────────────

 以下は、震災復興ベーシックインカムに関する「声明文」です。これは、あくま
でも、白崎一裕個人バージョンで、これに呼びかけ人などを加えて、インフォメー
ションにあります「院内集会」で発表いたします。これに近いかたちですが、別の
声明文が「ベーシックインカム日本ネットワーク」からでる予定です。


震災復興基礎所得保障等を政府に要求する声明
〜被災者、そしてすべての人々へ希望のベーシック・インカムを!!〜

(白崎一裕案)


 「3・11」。この日は、日本の歴史の大きな裂け目として記憶されるであろう。
復興へのプランが様々な立場から提言されているが、政府に対して、生活福祉資金
貸付(緊急小口資金)をはじめとする被災者生活再建支援法など、現行関係法規の
積極的活用と柔軟な運用、医療・介護・雇用・住宅・教育・子育てに関する支援の
方策の充実が求められている(注1)。にもかかわらず、それらの申請は複雑であ
り、すでに制度からこぼれ落ちる人々が出ている。また行政機構も含めたすべての
生活基盤が奪われ、雇用が暮らしを支えるようになるまでには多大な時間と試行錯
誤が必要である。

 そのような状況の下、いま、私たちは要求する!

 まずは、緊急に個人単位・無条件の所得保障として被災地域のすべての人々に月
額15万円の支給を。期間を5年とし、支給対象地域を岩手・宮城・福島三県および近
隣県の被災基礎自治体とする(注2)。

 支給の条件を「個人単位・無条件」とすることで、一人ひとりの生活の多様性を
損なわない柔軟な所得保障が実現され、将来が見えない被災者の物質的・精神的な
支えとなるであろう。地域の消費にまわることで地域自給を促す迅速な経済回復に
も有効である。地域・地方の経済再生は、個人への所得保障から始まるといってい
い。さらに、この所得保障をベースに、医療・介護・雇用・住宅・教育・子育てな
どの支援(現物給付など)を総合的に組み立てることもまた、すべて政府の責任に
おいてなされるべきである。所得保障によって、義援金を地域のインフラ整備など
にも回すことが可能になる。

 財源を懸念する声もあるかもしれない。復興費用試算は20〜30兆円、これに加え
て原発対策関連費用が10兆 円を超えるといわれている。阪神・淡路のときの復興
費用は、当初、10兆円といわれたが、結果はその1.5倍以上の16兆円だった。この
莫大な費用の捻出は増税、緊縮財政や通常の国債発行では賄いきれないであろう。
ここは、震災国債発行による日銀の直接引き受けによる方法が最も望ましい。日銀
からの資金は直接国庫に入金され、国の借金を増やすことなく、結果として利子も
つかない。
  
 被災したすべての人々、そしてこの国に暮らすすべての人々が希望をもてる社会
の実現に向けて、わたしたちは、基礎所得保障を基盤とした総合的な復興政策の実
施を要求する。

以上

注1:大阪弁護士会「東日本大震災における被災者の生活再建に係る関係法規の運
用改善及び法改正に関する緊急意見書」 (4月7日付)参照。

注2:ちなみに岩手・宮城・福島三県を「震災特区」として所得保障を実行した場
合、総人口567万人×月額15万円で年間10兆2,114億円。震災復興費用には、この所
得保障分を含めた予算組が必要となる。近隣基礎自治体の中では、茨城県の各自治
体も広域に含まれるが、この概算では省略した。


<白崎一裕 氏 プロフィール>(第三土曜日執筆)
ベーシックインカム・実現を探る会 代表。
「とちぎ教科書裁判通信」
http://kazuhihi.blog39.fc2.com/

BS11動画映像 田中康夫 vs 白崎一裕 対談
http://bijp.net/data/article/182

12分レクチャー:白崎一裕「ベーシックインカムまるわかり」
http://bijp.net/data/article/145


ベーシックインカム・実現を探る会
http://bijp.net/

soranimukatte_23 at 14:03|Permalink

2011年04月09日

「ドイツにおける緑の党の躍進」

下の文章は、ベーシックインカム・実現を探る会の
「BIメールニュースNo.093  2011.4.9発行」からの転載です。

───────────────────────────────────
【2】BIニュース 
 ドイツにおける緑の党の躍進
───────────────────────────────────

ドイツの調査機関フォルザ(Forsa)が6日公表した世論調査結果によると、反原発
を掲げる野党・緑の党(Greens)の支持率は前回の調査から7ポイント伸びて、過
去最高の28%を記録、社会民主党(SPD)を抜いて支持率2位に躍進しました。

反原発の「緑の党」、支持率2位に躍進 ドイツ
http://www.afpbb.com/article/politics/2794749/7060819?utm_source=afpbb&utm_medium=topics&utm_campaign=txt_topics

先だってのバーデン・ビュルテンベルク州議会選で、福島原発事故の影響で、緑の
党は歴史的勝利を収めたばかりで、連立政権を組むことが予想されるほど勢力を伸
ばしていましたが、それが今回の世論調査で裏付けられた形になります。

ドイツ地方選、反原発の緑の党が大勝 メルケル政権に痛手
http://www.afpbb.com/article/politics/2793008/7015882

緑の党は反原発のみならず、ベーシックインカムの実現を目指しています。その勢
力の拡大は、ベーシックインカム実現の可能性を大いに高めます。今後も、この進
捗についてお知らせしていきます。


ベーシックインカム・実現を探る会
http://bijp.net/

soranimukatte_23 at 13:19|Permalink

「3・11が私に決意させたもの(白崎朝子)」

下の文章は、ベーシックインカム・実現を探る会の
「BIメールニュースNo.093  2011.4.9発行」からの転載です。

───────────────────────────────────
【1】3・11が私に決意させたもの
                                白崎朝子
───────────────────────────────────

 3・11、私はベーシックインカム日本ネットワークの企画委員会議が開始する
直前で、早稲田大学におり震度5強の地震にあった。10〜18歳を地震の多い伊
豆地方で暮らした私は、地震には耐性がある。だが、今回は『いつもと違う!』と
いう恐怖を味わい、『ついに関東に直下型地震が来たか!』と魂が叫んだ。帰宅困
難者となったが幸い東京YMCAのご厚意でソファで横にならせていただき翌朝、
自宅にたどり着いた。

 しかし、問題はその後だった。原発事故による放射能汚染の恐怖で、テレビのニ
ュースが見られなくなった。私は19〜22歳までに反核・反原発運動を必死でし
ていたから、今回問題となっているプルトニウム汚染がどれほどのものかを若い時
から骨身に沁みて知っているからだ。

 遠縁が長崎の被爆者だった私は14歳で長崎の原爆資料館を訪れ、衝撃を受けた。
中学時代から核問題は私の中で一番のテーマだった。大学に入ってからは反戦・反
核・反原発運動で走り回った。

 しかし、26歳でシングルマザーになってからは、自分自身の生存すら危うい日
々で、闘病生活を余儀なくされた。経済的にも不安定な状況の中で介護現場で働い
た。そんな私は母子家庭の生存に関わる運動をするだけで精一杯だった。

 今回「20代前半に反原発運動家だったのに…私は何をしていたのか!」と、激
しく悔やまれた。そして、反原発署名に賛同し、友人や知人、メーリングリストに
転送する日々に明け暮れた。

 北海道のユニオンの方から津波の被害で海産物加工業の連鎖倒産があることや、
建設業の日雇い労働者の失職もあると聞いて絶句した。また福島の郡山市の介護関
係者からは、被災じたいは軽くライフラインの復旧は早かったが、問題は風評被害
だと聞いた。福島というだけでタクシーの乗車拒否や、ホテルの宿泊拒否にあうと
いう。たぶん、かつて広島や長崎の被爆者たちが結婚差別にあったように、これか
ら福島の被曝した被災者への差別・排除が始まる可能性も私は懸念している。福島
では福祉関係者の解雇もでてきているという。

 仙台市の被災者は「地方は車がないと灯油も買いに行けない。家族が4人いたら
4台車が必要。だが自動車保険は天災には適用されない。車を支給してほしい。薬
も不足しており、必要な薬が入手できない」と話してくれた。

 「関東の計画停電なんて、福島の復旧には役に立ちません。」と福島の被災者か
ら言われた。計画停電のせいで、むしろ被災者支援や安否確認に支障をきたしてい
る大学職員の友人もいる。

 東京でも派遣労働者の私の友人は自宅待機を命じられ、減俸となる。既に大卒時
の昨年以上の就職難も予想されている。

 ケアワーカーの友人からは「介護保険への予算が削減されるのではないか…」と
いう懸念の声を聞いている。 4月に入り都内もだいぶ物資は復旧してきたが、私
は生協から米がほとんど入手できず、結局、神奈川の市場でやっと入手でき宅急便
で送った。幸い井戸が近くで見つかったが、ミネラルウォーターはスーパーやコン
ビニ、自動販売機から姿を消した。

 この絶望的状況の中で、希望を見いだしていくために、私はどう生きればいいだ
ろうか…。なかなか寝つけない日々の中で、自問自答した。そして、私は未来を信
じて、今やれることを精一杯やるしかないのだと思った。

 いつ関東に襲うか分からない直下型地震に備えて、私の為にカセットコンロを駆
けずり周り探してくれた、このメルマガ編集長の野末さんと京都の友人。ご自宅の
カセットコンロと山ほどの乾電池を送ってくれた友人。彼女は米軍基地を押し付け
られている沖縄出身者だ。カセットコンロのボンベとトロロ昆布を山ほど送ってく
れたシングルマザーの友人は、風呂無し、エレベーター無しの公営住宅に住んでい
る。
 今回一番私を心配し関東では入手できない物資を送ってくれたのは、老後の年金
もロクに貰えないような貧しい関西の女たちだった。

 そして3・11の夜…。東京・新宿駅の駅で数千に及んだ帰宅困難者のためにホ
ームレスのおじさんたちが、一生懸命下に敷く段ボールを探して配ったと聞いた。
ツイッターにも書かれていたと友人も言っていた。だが、新宿のホームレスのおじ
さんからは「パンが手に入らないと言って、いつも貰えるパンが今週は貰えなかっ
た」と3月19日に聞いた。炊き出しにも支障を来している。

 普段、排除されていても帰宅困難の人達のために無償の愛で行動したホームレス
のおじさんや友人たちに感謝をこめて、私は実現を探る会の白崎一裕さんと協議し、
本気で基礎所得保障ならびにベーシックニーズ(医療・住宅・教育・ケアなど)を
政府に要求する院内集会をすることにした。

 4月27日(水)11:30〜参議院会館にて。詳細は次号インフォメーションに
ぜひご注目ください。

 以下の記事はカセットコンロを探し回ってくれた友人からの情報提供です。ご参
照ください。

■津波生存者が語る、認知症介護施設を襲った悪夢
2011年03月15日 13:56 発信地:宮城

(c)AFP/Hiroshi Hiyama
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/disaster/2790610/6956563


<白崎朝子氏 プロフィール>
介護福祉士・ライター
著書『介護労働を生きる』(現代書館刊)他。安全な労働と所得保障を求める女性
介護労働者の会メンバー。カナリアネットワーク、ベーシックインカムを考える会
主宰。現在、『ベーシックインカムとジェンダー(仮題)』現代書館のコーディネ
ーター&執筆者。

ベーシックインカム・実現を探る会
http://bijp.net/


soranimukatte_23 at 13:16|Permalink

2011年04月02日

「震災復興の財源の行方」

下の文章は、ベーシックインカム・実現を探る会の
「BIメールニュースNo.092  2011.4.2発行」からの転載です。

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【2】BIニュース 
 震災復興の財源の行方
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今週も震災復興に関して、いくつか動きがありました。


与野党:復興財源で日銀に圧力、是清流の国債直接引き受け論浮上(1)
(ブルームバーグ)
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=ahye07G6Aevs

復興財政支出「日本にプラス」 IMF
(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/mnews/20110325-OYT8T00689.htm

ブルームバーグは両論併記でしたが、海外からは、復興財源を日銀国債直接引受に
することを推す声が大きいようです。


また地方からも、日銀国債直接引受を行う要望が寄せられています。

国難に政府紙幣を 郡上市議会が意見書
http://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20110326/CK2011032602000113.html

提案した美谷添生議員
http://go2senkyo.com/diet/profile/0071/00071785.html


全国知事会 日銀国債引受で80兆円確保を
http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/210330047.html

提案者の泉田知事は、田中康夫氏と親しいので連携があったのかもしれません。


さらに、各政党からスタンスが明確になりつつあります。

みんなの党 大復興アジェンダ〜東日本復興院構想〜
http://www.your-party.jp/file/fukkou-110325r.pdf

共産党 復興に向け予算の大規模補正が必要
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2011-03-30/2011033001_04_1.html

みんなの党は日銀国債直接引き受けを明記していますが、共産党は大企業の内部留
保で日銀を引き受けさせようと考えているようです。


ちなみに、先週の3月25日の衆議院・財務金融委員会で、山本幸三議員が白川日
銀総裁に、日銀国債直接引受について質疑している動画がありました。
http://www.shugiintv.go.jp/jp/video_lib3.php?deli_id=40856&media_type=wb

下記が要旨ですが、借換債を日銀が直接引受しているから、それ自体は禁じ手でも
なんでもないという元大蔵官僚のキャリアを生かした質疑でした。
http://www.yamamotokozo.com/news/20110328.htm


(BIメールニュース編集長 野末 雅寛)


ベーシックインカム・実現を探る会
http://bijp.net/

soranimukatte_23 at 13:23|Permalink

2011年03月26日

『嗚呼 平成の後藤新平 高橋是清は何処に!』

下の文章は、ベーシックインカム・実現を探る会の
「BIメールニュースNo.091  2011.3.26発行」からの転載です。

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【1】BIニュース 田中康夫氏動画のご紹介
『嗚呼 平成の後藤新平 高橋是清は何処に!』(田中康夫のにっぽんサイコー)
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昨週もお知らせしましたが、国民新党の亀井静香氏と並んで、震災復興の財源を日
銀に国債を直接引き受けてもらう提案をしていた田中康夫氏が、『嗚呼 平成の後
藤新平 高橋是清は何処に!』と題して、自身の阪神淡路大震災や中越地震での体
験談(「共通の無念さ」という言葉で涙ぐむ場面もありました)、そして今何をな
すべきなのかについて下記の動画で語っています。
http://www.youtube.com/watch?v=WyoQ6OrwGX8

党派を超えた救国内閣によって、高橋是清のように100兆円規模の復興国債を実
施し、後藤新平が行おうとしたようにのように「復興院」を創設し、一刻も早く東
日本の国民生活を再建することを提案しています。


(BIメールニュース編集長 野末 雅寛)


文中で紹介されている動画↓



soranimukatte_23 at 15:11|Permalink

2011年03月19日

震災後のリハビリテーションとしてのベーシックインカム

下の文章は、ベーシックインカム・実現を探る会の
「BIメールニュースNo.090  2011.3.19発行」からの転載です。

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【1】リハビリテーションとしてのベーシックインカム(BI)
           ベーシックインカム・実現を探る会 代表  白崎 一裕
           ベーシックインカムメールニュース 編集長 野末 雅寛
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 東北地方太平洋沖地震にて被災された皆様におかれましては、お見舞い、お悔や
み申し上げますとともに、ご無事をお祈りいたします。

 この震災は、おそらく、日本の近現代史でも何本かの指に入る歴史の断層的事象
だろうと思われます。「震災後」を考えるときに、いままでの日本の社会・国家な
どのありかたの検証が進むとも思われます。そのときに、私は、BIは、かならず、
有効な「方法」としての力を有しているのではないかと考えております。それは、
「リハビリテーションとしてのベーシックインカム(基礎所得保障、以下BI)」と
いう役割です。あるいは、日本の場合だと「ハビリテーション」という要素も加わ
るかもしれません。

 折しも、下記のニュースでも紹介しましたように、日銀が復興国債を直接引き受
けするニュースが浮上しています。つまり私たちは、私たちの生活を安定させるた
めに、通貨を自らの意志で制御できるチャンスを迎えています。復興費用が20兆、
30兆かかろうかというパラダイム・チェンジが必要なこの期に及んで、いまだに
租税国家の枠組みにしかしがみつくことができない人と、新しい枠組みで生活を再
建していこうという人とが鮮明に分かれてきています。

 新しい日本が生まれつつあり、そこでは人びとが自分の意志でコミュニティを形
成・運営し、これまでよりもずっと民主的な社会を運営することができるようにな
るかもしれません。そのためには、自分の意志で通貨を制御し、経済を回し、生活
を営むツールが必要になります。そこで有効なのが、政府通貨発行によるBIです。
具体的にどのように運用していくのかについては、追ってご紹介していこうと思い
ますので、今後ともホームページとメールニュースのご購読をよろしくお願いしま
す。

<白崎一裕 氏 プロフィール>(第三土曜日執筆)
ベーシックインカム・実現を探る会 代表。
「とちぎ教科書裁判通信」
http://kazuhihi.blog39.fc2.com/

BS11動画映像 田中康夫 vs 白崎一裕 対談
http://bijp.net/data/article/182

12分レクチャー:白崎一裕「ベーシックインカムまるわかり」
http://bijp.net/data/article/145


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【2】BIニュース 
 復興国債の財源として、日銀直接引き受け案が浮上
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東北地方太平洋沖地震の復興国債の財源として、日銀直接引き受け案が浮上してい
ます。

「復興国債」緊急発行方針 10兆円超、日銀引き受け(産経新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110318-00000081-san-soci

もともと産経新聞編集委員の田村秀男氏が元来日銀国債引き受け論者だったことも
あり、産経新聞がスクープした形になっています。

復興国債100兆円も可能 日本再生のチャンスに変えよ 編集委員 田村秀男
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110317/fnc11031721570029-n1.htm


「谷垣は狂っている」 と亀井氏、えせ挙国態勢を批判
http://www.janjanblog.com/archives/33914

国民新党の亀井静香氏が意気軒昂で、100兆円の復興資金を構想しています。統
一会派を組んでいる新党日本の田中康夫氏もこれに協調しています。何と言っても、
田中氏はベーシックインカム(BI)推進論者で、100兆円という額は1人あたり
月8万円のBIを実現する上で平仄が合う数字でもあります。


意外なことに、舛添要一氏も20兆円規模の国債を日銀に引き受けさせるよう言明
しています。
http://twitter.com/#!/MasuzoeYoichi/status/48623148312166400


そして、興味深いことに外資が積極的です。

<視点>復興シナリオ─日銀の国債引き受け、復興税創設、東電は国有化? (1)
http://news.finance.yahoo.co.jp/detail/20110316-00311801-mosf-stocks


ただ、政府にいる与謝野経済財政大臣と野田財務大臣が否定的です。
http://www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C9381949EE3EAE2EBE68DE3EAE2E1E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2
http://www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C9381949EE3EAE293968DE3EAE2E1E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2


今後のベーシックインカムの見通しを立てる上で重要な件ですし、復興がどのよう
な形で行われるかについての重要な試金石になりますので、引き続きお送りいたし
ます。

ベーシックインカム・実現を探る会
http://bijp.net/

soranimukatte_23 at 23:27|Permalink

2011年03月07日

「ブラジル「市民ベーシックインカム法」全文が訳されました」

下の文章は、ベーシックインカム・実現を探る会の
「BIメールニュースNo.088 2011.3.5発行」からの転載です。

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【2】BIニュース
ブラジル「市民ベーシックインカム法」全文が訳されました
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北野慶さんのブログで、ブラジルで成立している「市民ベーシックインカム法」の翻訳がアップされていました。
http://kei-kitano.blog.so-net.ne.jp/2011-02-25

ブラジル語→韓国語→日本語の二重翻訳なので、正確さに問題があるかもしれませんが、とても参考になります。

下記参考資料は、ポルトガル語が分からない編集部が、分からないなりに調査したポルトガル語での原文と関連資料です。ポルトガル語が分かる方にご教示いただけると大変有難いです。

参考資料1:法律原文
http://www.trt02.gov.br/geral/tribunal2/Legis/Leis/10835_04.html

参考資料2:ポルトガル語でのベーシックインカムの紹介(ウィキペディア)
http://pt.wikipedia.org/wiki/Renda_b%C3%A1sica_de_cidadania




soranimukatte_23 at 19:59|Permalink