【惑星通信】08月26日号 水星と天王星の結び『勝利のうた』

2011年08月27日

「働き方の大変化」

下の文章は、ベーシックインカム・実現を探る会の
「BIメールニュースNo.112  2011.8.27発行」からの転載です。
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【1】働き方の大変化
        ベーシックインカム・実現を探る会 主任研究員  古山 明男
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 ベーシックインカムが実現したら、働き方に大変化が起こります。「クビにされ
ても怖くない」社会がやってくるのです。

 あんまりひどい職場なら、さよならできる。我慢はそこそこでいい。

 職業というのは多くを要求するものです。賞罰と規律が根底にあります。雇用は、
どうしても封建的主従関係に近いものになります。
 しかし、ベーシックインカムがあると、人はクビにされても最低限は生きて行け
ます。会社に抗議できますし、待遇が悪い職場からは、どんどん人が逃げ出してし
まうでしょう。そうなると、働く環境はほんとうによくなってくるでしょう。

 ちょっと待って、という考えもあるかもしれません。ベーシックインカムがある
と会社に抗議すれば、「あ、そう。じゃ、辞めていただきましょうか。食っていけ
るでしょう」も会社から言いやすくなります。
 これは困ります。やはり、「不当な理由なく解雇していはいけない」という現在
の法律を変えてはいけません。

 しかし、大きく言えば、ベーシックインカムができると会社も個人も雇用にさほ
どこだわらなくなり、より対等な契約関係を結ぶようになるでしょう。
 近代になって、封建時代の主従関係は、対等な人間同士の契約関係に変化しまし
た。それに匹敵する変化が、ベーシックインカムのある社会で進行するでしょう。
それぞれの人が自分の目的に合った働き方をするようになります。


 収入は少なくてもいいから時間を最小限にしたい人たちもいるでしょう。仕事は
嫌いじゃないけれど、責任最小限、気楽さ最優先で、軽い仕事をしていたい人たち
もいるでしょう。いっぽう、仕事に熟達したい人たちもいますし、積極的に責任を
引き受けたい人たちもいます。会社は、そういういろいろな動機の人たちが集まる
場になります。働く時間も、責任の取り方も、さまざまな契約が生まれてくるでし
ょう。

 そうしたら、どうせ食えるんだからとなげやりな仕事をする人が増えませんか?
そういう疑問も湧きますね。でも、それはむしろ現在の会社で雇用されている人た
ちに言えることではないでしょうか。

 労働を「雇用」という枠組みにすべて押し込める必要があるのでしょうか。それ
は個人の自由を奪っているし、無駄な仕事が消滅しなくなっているのではありませ
んか。


<古山明男 氏 プロフィール>
教育、社会問題を研究。

2009年7月12日の当会主催の勉強会で「ベーシック・インカムのある社会」を講演。
講演録
http://bijp.net/transcript/article/91
http://bijp.net/transcript/article/98

ベーシックインカム・実現を探る会
http://bijp.net/

soranimukatte_23 at 14:07│Comments(0) ベーシックインカム 

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