『FLASH』おむつデビュー

2011年06月14日

”「正しいお母さん」の試験問題”

中部大学の武田邦彦さんのブログからの転載です。

「正しいお母さん」の試験問題



次のような試験問題が「公務員倫理」の出題に出されたとします(模範解答と思われるものを付記しました)。

1) 一般的に言って、お母さんが「子供の被曝をできるだけ少なくするように努力する」という行為は法的に正しいか?

【解答】正しい。法律でも「被曝はできるだけ少なくするように努める」との目的が記載されている。

2) 原発事故のために、すでに法定限度一杯の被曝を受けている子供を持つお母さんが、「暫定許容値」を下回る食材でも、「子供に限度以上の被曝をさせないように、放射性物質を含む食材を使うのを拒否する」という行為は法的に正しいか?

【解答】正しい.個別の食材の暫定基準値より、総合的な被曝量の法定限度(1年1ミリシーベルト)を超えないようにするのが、食材提供者およびお母さんの推奨される行為である.

3) 社会通念上、お母さんが子供の健康に気を配ること、健康を守る上で個別の母親が異なる考えを持っていることは正しいか?

【解答】正しい。人間の親として、また親権者の義務を果たすために母親が子供の健康に留意することを尊重しなければならず、その程度、方法、考え方の多様性を認めなければならない。

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次に、校長先生(教育の管理をしている人という意味。教育委員会でも先生でも良い)に僭越ながら2つ出題をさせてもらいたい.

問題1: 学校にすでに空間からの被曝だけで法定限度一杯の被曝をしている子供に、放射性物質を暫定基準値以下を含む「地産地消」の食材を給食で実質的に強制的に食べさせるのは、学校給食法の精神である「食の適切な指導」という意味で正しいか?

【解答】 法定限度の被曝量は、国民の健康を守るために定められているので、法定限度一杯の被曝をしている児童生徒に、さらに被曝を指せることは不適切である.

問題2: 学校は、空間からの被曝量がある程度ある場合、個別の児童の積算被曝量を計算して、学校における追加被曝(運動、給食、プール)などについて、児童生徒が法定限度を超える可能性があるかどうかを保護者に知らせる義務があるか?

【解答】 ある。児童生徒の被曝量が1年間に1ミリシーベルトを越える怖れのある地域、および時期において、学校は生徒の行動を強制することから、学校における追加被曝を計算し、児童生徒が総合累積被曝量として法定限度を超える可能性がないことを保護者に知らせなければならないと考えられる。

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教育担当者、食材提供者、市役所の職員などは、子供の被曝を法定限度の1年1ミリシーベルト以下にする責務を負っていると考えられます.

従って、個別の児童・生徒・市民について計算もしないで「安全です」と言うことは(神様でなければ)言うことは出来ないでしょう.

また、たとえば九州の学校でも、すでに関東や東北の学校で被曝してきた児童生徒については個別に被曝量を計算して、学校での追加被曝が法定限度を超えないかについて、計算をすることが求められます.

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すでに、「子供を被曝から守って欲しい」と呼びかけるのも何回目かになります。でもまだお母さんが苦しんでおられますし、個別のお母さんを神経質とかモンスターと言って、被曝させることを正当化している市役所や教育委員会も多く見られます。

日本の将来は、子供達の健やかな成長が前提です.また教育基本法でもその目的に「心身共に健全な子供」を目指すことが明記されています.

是非、先生方、校長先生、教育委員会、スーパー、市役所のお役人などは、形式にとらわれず、職務の本質にそって子供達の被曝量を可能な限り減らすことを御願いします.

特に、「福島の人を助けるために、子供を被曝させる」のではなく、「福島の人の生活を大人だけで全力を尽くして旧に復する」方向に進んでもらいたいと思います.

「礼儀正しい個人、愛する家族、信頼できる友、誠実な社会、誇りある日本」

一人一人の行動で、私たちの手に届くのではないでしょうか!

(平成23年6月14日 午前9時 執筆)

武田邦彦

転載元頁:http://takedanet.com/2011/06/post_5c45.html

soranimukatte_23 at 13:47│ 報道されない真実 | 原発・新エネルギー
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